痔とは
おしりの病気のことを「ぢ」 と一般にいいますが、主にいぼ痔、切れ痔、そしてあな痔のことをいい、それぞれ違う病気です。
内視鏡検査予約と肛門外科診療ならみやけ医院/北見市本町3丁目7-21
おしりの病気のことを「ぢ」 と一般にいいますが、主にいぼ痔、切れ痔、そしてあな痔のことをいい、それぞれ違う病気です。
痔核とは肛門周囲にある血管(静脈)が腫脹し、おさえが効かなくなって垂れ下がってくる状態のことを言います。もともと「ひと」が4本足出歩いていたときには、おしりの血管は心臓より高い位置にあったため、肛門周囲の静脈には逆流防止のための弁がありません。
そのため2足歩行するようになってから逆流しやすくなり、腫脹した状態が痔核なのです。
などは要注意です。
排便はなるべく短い時間ですませるようにして、すわりっぱなし、立ちっぱなしの場合には休憩をとって体操などでおしり周囲の血流を巡らせるようにするといいでしょう。
痔核にはおしりの縁にできる外痔核と奥側にできるない痔核があります。肛門はもともと生まれる前に腸と皮膚が合体してできているのですが、その合わさる場所を歯状線といいます。歯状線より奥側はもともと腸管からできた組織であり感覚がありません。
また外側は皮膚からできた組織なのでとても敏感で目の中と同じくらい痛みを感じるといわれています。なので内側の痔核が腫脹したとき(内痔核)は痛みは無く、外側の痔核が腫脹したとき(外痔核)はとても痛みが強くなるのです。
1. いたみ:おしりが腫れて痛む。
2. でっぱる:おしりから排便のたびに突出がある。毎回押してもどしている。
3. 血がでる:排便の後に血がつく、走り出る。
外痔核が腫脹すると、中の血管がふくらんだ分、血の流れがゆっくりになり、そこにうっ血が重なると血が固まって血豆のようになることがあります。
そうなるとおしりの縁に塊ができてとても強い痛みがでるようになります。
よくおしりのできものが戻らなくなりました!といってこられる患者様がいらっしゃいますが、外痔核はおしりの縁にできるものなので中からでてきているわけではありません。なのでおしこめても痛いだけで引っ込むことはありません。この状態を血栓性外痔核とよび、だいたい3日くらいをピークに血栓が吸収されていくのでだんだんおさまっていくのですが、痛みの強い時に受診していただけるとその場で局所麻酔をしてから血豆をとることで、痛みが楽になって帰宅していただけます。
内痔核は腫脹してくるとおさえがきかなくなり突出するようになってきます。
だいたい4段階にわけて考えて治療方針を考えます。第一段階では患者様が気にならなければ特別治療はしません。第二段階であれば外用剤の使用。
生活習慣の改善を指導します。第三段階より重症な方は外科的治療も検討してもらいます。第四段階は手術をまず考えます。
痔核は血管が腫脹したものなのでうっ血が強いと出血することがあります。切れ痔(裂肛)がないか、腸からの出血がないか合わせて診察して調べる必要があります。
当院ではなるべく手術しない方法で治療するようまず考えます。そして必要であれば日帰り手術でほとんどの症例は手術を行っております。血液をサラサラにする内服を飲んでいたり、他の持病があり危険性の高い患者様。
重症で入院が必要な状態の患者様については北見赤十字病院の開放病床を利用して、入院の上安心して手術ができる体制を整えています。
一般の外科医のうち肛門に精通し研修を受けた医師のみが選択できる治療法で、従来手術で大きく切除し、何日も入院していた治療が日帰りでできるようになった画期的な治療法です。
内痔核は静脈がうっ血し腫脹し垂れ下がってくる病気です。硬化療法のお薬(ALTA注)で痔核を固め、壁に固着することにより痔核の突出、出血などの症状が緩和されます。切るわけではないので手術時間も短く、術後の痛みも楽なのが特徴です。
また外痔核をともなう場合には同時に切除することで、大きな痔核でも日帰り手術で対応できるようになりました。
痔核は解剖学的に血管の位置と関係があり腫れやすい部位が3〜4箇所あるため2箇所以上連なっておおきくでる場合にはしっかり入院して手術をおすすめする場合があります。
当院では積極的に病診連携に取り組んでおり、必要に応じて北見赤十字病院の開放病床を利用してゆっくり入院して安全に手術ができます。この場合には当院院長が手術を担当し、毎日回診に伺います。
もちろん北見赤十字病院の麻酔科医や外科医師も協力して診療にあたってくれます。
早めであればより軽い手術で対応できますので「いぼぢ」かな?と思ったら悩まず早期にご相談下さい。
肛門の内側は粘膜です。やわらかいため排便時に傷ついたりすることがあり痛みや出血をともなうような状態を切れ痔といいます。何度も繰り返すと潰瘍のようになったり、イボ状のでっぱりがでてきたり、傷あとが硬くなるので肛門狭くなってきたりすることがあります。
通常おしりは3cm程度ひろがるのですが中には切れ痔のため1cm以下・・割り箸くらいの幅しか広がらないような方もいらっしゃいます。
そうなると排便も毎回大変な苦痛を伴うようになりますので手術で肛門拡張が必要になってきます。
裂肛は基本排便習慣、便の硬さのコントロールが大切になります。
外用剤(注入軟膏、さしこみの座薬)などで治療をします。
狭窄がつよい場合には拡張術。潰瘍など傷が大きい場合は切除をともなう皮膚移植手術などをおこなう場合があります。
皮膚と腸管が合体して肛門が成り立っているのですがその境目である歯状線の部分に分泌物をだす肛門線というごくごく小さい孔があります。ここに感染を起こすとおしりの周囲に細菌がたまってきて膿瘍をつくります。脂肪層や皮下組織のやわらかいところに炎症はひろがっていくため瘻管のようになっていき、ついには皮膚に孔があき痔瘻となります。
痔瘻にいったんなると自然に治ることが期待できないため手術が必要になります。また10年とか、長期に痔瘻の状態を放置していると痔瘻がんとなることがあり、痔瘻がんは予後がわるいため事前に手術をうけることが必要になってきます。
1、肛門周囲膿瘍
おしりの強い痛み、腫脹の場合、エコーで膿瘍が確認できた場合にはそのまま局所麻酔して上で切開、排膿します。歯状線側の汚れの入り口が明確な場合にはその場でそこまで切除することで入院手術しないで半数以上のケースで外来でなおります。
しかし切開しても汚れをくりかえしていくと痔瘻となり入院していただき根治手術を行います。
2、痔瘻
入り口の孔と汚れの部分をとりのぞく手術をします、孔だけで汚れがない場合にはゴムでしめつけながらゆっくり切開していくSeton法による治療も行います。
痔瘻の場合枝分かれしたりするため根治手術後にもある一定の割合で腫脹を繰り返して再手術になってしまうケースもみられます。
痔瘻の炎症はからだの免疫力との関連もあり、疲れや栄養低下のような状態ではわるくなりやすいので十分休息をとって規則正しい生活し、栄養をしっかりとることが大切です。
おしりの病気でお困りの場合には悩まず早期に相談していただけたら、より簡単な治療法が選択できますのでぜひご相談ください。
みやけ医院は地域でトップクラスの肛門診療の経験があります。診断から治療まで高いレベルで対応できますので不安がありましたらぜひご相談ください。またおしりの診察は恥ずかしいと感じる患者様もいると思いますが、プライバシーを極力配慮しておりますので安心してご来院ください。