松永副院長 カンボジア医療支援日記 14
皆様お元気でしょうか。お疲れ様です。カンボジアに来てはじめて雨が降りました。
以下、日記から転記。
雨季は突然やってきた。カンボジアは5月から10月が雨季、11月から4月が乾季とされている。1月下旬にカンボジア入りしてから2ヶ月以上、雨らしい雨が一度もなかった。木々は大河メコンの灌流のおかげで枯れずいたが、その緑は乾燥したホコリにまみれていた。
4月3日未明、熱帯夜の薄夢の中でふと心地よい水の匂いがした。次の瞬間、轟く雷鳴とともに耳をつんざくような豪雨が大地に襲いかかった。何かが壊れるかような破壊的なスコール。雷が何度も近くで鳴り響きベッドにまで振動が伝わってきた。網戸からカーテンをこえて雨が部屋に振り込んできた。起きて窓をしめた。
雨は2時間ほど続いただろうか。気がつくと普段のカエルの合唱が聴こえていた。雨はやんでいた。窓を開けると爽やかな涼しい風が入ってきた。気持ちよい眠りについた。朝病棟に行くと、雨から避難してきたネコがひとりで空床を占拠して休んでいた。