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松永副院長 カンボジア医療支援日記 5

皆さま、お疲れ様です。

昨日、はじめて救急搬送についたので、ブログ用に記録を送ります。


朝、出勤すると人だかりが出来ていた。
患者は37歳、男性。全身痙攣、意識消失にて救急搬送された。
瞳孔左右不同があり、脳卒中が疑われ、脳外科に転送することとなった。
スタッフの中で一番ヒマな私がアンビューを押しながら同行することとなった。
これまでカンボジアの転院に付き添った経験はないし、英語にも自信はない。

しかし、これも話のネタになるなと思ったのが正直なところ。
私と患者以外に救急車に乗るのは、カンボジア人の男性看護師1名と患者の叔父2名。
酸素ボンベはある。サクション(吸引器)は足踏み式。緊急の薬をポケットに入れて出発した。
搬送中、容態は概ね安定していた。

点滴が屈曲して落ちなくなったが、テープ固定を外したら良くなった。

看護師に『テープで固定して』というと、テープはありませんとの返事。

すると、それを見ていた叔父の1人から手が伸びてきて、私が着くまでずっと押さえてるから大丈夫だと日焼けした顔で深くうなづいてくれた。

もう1人の叔父も揺れる車内で患者を抑えてくれている。以前にも何度か思ったのだが、カンボジアの家族は実に家族思いだ。

患者の身の回りのことは何でも手伝う。大勢で何日も付き添ってそこらじゅうで寝ている。

カンボジアの教育レベルは日本よりはるかに低いが、日本には無くなった何かがある。

 

医療支援日記 6 につづく

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